半沢直樹第9話ネタバレ,あらすじ(動画有)「 最終決戦! 出向をかけた金融庁検査!!」

このページは、TBSの日曜劇場「半沢直樹」の第9話のネタバレ,あらすじを吹き出し形式、会話方式でお伝えしています。動画もありますので、お楽しみください。

半沢直樹2(2020/原作)ネタバレ,あらすじを吹き出しで最終回まで暴露

半沢直樹第8話のあらすじで、伊勢島ホテルの提携先であるナンセンの問題が発覚して、それをどうするのか金融庁検査に向けて、半沢(堺雅人)は対策を迫られていました。

 

半沢直樹第9話のあらすじは、金融庁検査の最終聞き取り調査が行われるところから始まります。半沢直樹第9話のタイトルは「最終決戦! 出向をかけた金融庁検査!!」です。

半沢直樹第9話の動画はコチラ

半沢直樹ネタバレ,あらすじ9話

東京中央銀行と伊勢島ホテルの未来を決める、金融庁検査の最後の聞き取り調査、いわゆる最終決戦の場に向かう、半沢達。

 

ここまで半沢は、伊勢島ホテルが起こした120億の損失と不正融資の裏側で、社長の座を狙う羽根専務と、頭取の座を狙う大和田常務が手を組んでいる事を知る。

 

大和田常務の画策で、伊勢島ホテルの担当から外されそうになった半沢だが、どうにか模擬検査を切り抜け、更迭を免れた。

 

間もなく始まる最後の金融庁検査、最終決戦を前に、東京中央銀行と伊勢島ホテルを救う道は、たった一つしかないと、半沢は考えていた。はたして、その秘策とは…。

島田検査官
では、これより、伊勢島ホテルへの与信判断に関する最終聞き取り調査を始めます。

 

半沢
どうした?近藤。

 

近藤
今、例のラフィットっていう会社の女社長の自宅を突き止めたんだが…。

 

半沢
たしか棚橋っていう…。

 

近藤
それが、表札には…。

 

半沢
大和田?!タミヤ電機の不正にも、大和田が絡んでる…。

 

近藤
俺もさすがに目を疑ったよ。まさか、うちの不正問題に大和田常務が絡んでくるなんてな。

 

半沢
つまり…、5年前、京橋支店からタミヤ電機に融資された3000万は、その直後、ラフィットというアパレル会社に横流しされた。そこの社長、棚橋貴子は大和田常務の妻だった。

 

渡真利
迂回融資か。

 

迂回融資とは、銀行が融資できないようなロクでもない相手に、顧客を通じて金を又貸しする、詐欺行為である。

 

渡真利
しかも、当時その融資を実行した京橋支店長は岸川部長だ。まぁ、大和田が指示してやらせたって考えるのが自然だよな。

 

半沢
自分の妻の赤字会社に資金を横流しするために、タミヤ電機を利用したってことか。

 

渡真利
もしそれが本当なら、大和田を追い込む決定的なネタになる。証拠だ、確かな証拠がいるぞ、半沢。だよな、大和田常務がそんな証拠、簡単に残すわけはないか。

 

近藤
それに、今、お前らは金融庁検査を乗り切らなきゃならないんだろ。下手に騒いだら、足元すくわれるんじゃないか?

 

半沢
近藤、田宮社長の証言は取れないか?タミヤ電機は大和田に頼まれて、意味のない3000万の借金を背負わされたんだ。田宮社長だとも面白いとは思ってないはずだ。その証言があれば、大和田を追い詰める証拠になる。

 

近藤
やってみる。どっちにしろ田宮社長には、はっきりとした答え聞くつもりだったからな。

 

半沢
頼む。

 

渡真利
でもその前に、金融庁検査だぞ、半沢。伊勢島ホテルを再建し、金融庁検査を乗り切るには、もう、あの方法しかない。いいか?本当なら、これは法人部あたりが総出でやらなきゃならない一大プロジェクトだ。しかし、今はそうはできない。大和田に知られたら、間違いなく潰されるからな。

 

半沢
俺達だけで、秘密裏にやるしかないか。

 

近藤
最大の難関は、湯浅社長の説得だな。

 

半沢
ああ。

 

渡真利
よし、半沢、フォスターは俺がすべて引き受ける。

 

半沢
渡真利…。

 

渡真利
心配すんな。俺は元々、海外を相手にした、こういうでかい仕事がやりたくて、銀行員になったんだ。今やっと、その夢が叶う。親友のお前のためだ、何でもやりますよ。バブル時代にやりたい放題やった上の連中の尻拭いをするために、俺達は銀行員になったわけじゃない。こんなところで追い出されてみろ、俺達はずっと、報われないままじゃないか。やってやろうぜ?今こそ、バブル最後の入行組の意地を!見せてやろうじゃない。

 

半沢
湯浅社長。唯一、御社を救う方法を見つけました。これから申し上げる事は、うちの大和田と羽根専務がした提案以上に、酷なことかもしれません。湯浅社長、フォスターの資本を受け入れてください。

 

湯浅社長
このホテルを売れというのか?!しかも、よりによってフォスターに!あそこは、うちの再建計画を潰した張本人じゃないか!

 

半沢
あなたの立場になって、徹底的に考えました。何ができるか、どうすべきか。そして辿り着いた、たった一つの答えがこれです。実は、かねてよりフォスターは、日本進出の足掛かりとして買収合併できる企業を探していたんです。向こうにとっても今回の提案は渡りに船だ。決して悪い話じゃない。今、私の同期が五分五分の条件で合併できるよう、全力でフォスターと交渉しています。資本受け入れの条件として、あなたの続役も、必ず認めさせるつもりです。傘下に入れば、米国最大手のホテルチェーンが持つ、グローバルな予約システムが使用可能になる。人材も、ノウハウも、すべて手に入れる事ができます。今の窮地を乗り切るだけでなく、伊勢島ホテルは将来、一層飛躍するためにベストな選択だと、私はそう確信しています。もちろん、相手は怪物フォスターです。完全に飲み込まれてしまう可能性だってあるでしょう。ですが、湯浅社長。あなたなら生き残れる。伊勢島ホテルの名前を、守る事ができる。私は銀行員として、そう判断しました。

 

湯浅社長
少し、考えさせてください。

 

半沢
もちろんです。ですが、明後日が最後の金融庁検査です。それまでに答えを出してください。

 

湯浅社長
100年以上続いた、このホテルの命運を、たった1日ちょっとで決めなければならないのか…。

 

半沢
申し訳ございません。

 

羽根専務
あら、もう会うことはないと思ったけど。随分しぶといのねぇ。

 

半沢
大和田から、どのように聞いているかは存じませんが、私は担当を降りるつもりはございません。

 

羽根専務
そこまで、うちのことを思ってくださるなんて、でもご心配なく。ここは私が守ります。

 

半沢
あなたに守れるとは思いません。

 

羽根専務
一族経営なんていう、愚かなしきたりで選ばれた社長よりは、マシだと思うけど。

 

半沢
しかし湯浅社長は、あなたにはないものを持っています。

 

羽根専務
何かしら?

 

半沢
誠実さです。ホテルという接客業をする上で、それは何よりも大切なものだと思います。

 

羽根専務
ハハハハ。誠実さ?そんなもので、このホテルが100年もやってこられたと思ってるの?これまで、先代のワンマンのせいで起きた、いろんな問題。聞かせてあげましょうか?この時計ね、一日に一回ゼンマイを巻いてあげないと、すぐに止まってしまう。私が入社して、先代から任された最初の仕事。それ以来、私は一日も欠かさず、このゼンマイを巻き続けてきた。伊勢島ホテルを動かしてきたのは…、この私です。昨日今日、担当になった銀行員に、とやかく言われる筋合いはございません。

 

半沢
ただいま~。

 

おかえり~。はい、これ、お風呂掃除ね?

 

半沢
あれ?結構疲れてるんですけど。

 

だって、ちょっと留守にしてただけで家ん中グッチャグチャなんだもん。

 

半沢
すいませんでした。で、どうだった?金沢。

 

ああ…、楽しかったよ。隆博もお義母さんにいっぱい遊んでもらって大はしゃぎだった。

 

半沢
そっか。

 

そっちは?金融庁検査、まだ終わらないの?

 

半沢
もうすぐ終わる。

 

あんな金融庁の鼻につく役人なんかに絶対負けないでよ~。疎開資料、大丈夫?

 

半沢
大丈夫だよ。絶対に分からない場所に隠してある。

 

そんなこと言って、また前見たいな事になるんじゃないの?心配だなぁ。あ、いっそ金沢にでも、送っちゃったら?

 

半沢
ふふっ。あ、じろ飴か!美味そ~。これ、食べていいかな?

 

 

黒崎
まだ分からないの?疎開資料の隠し場所!

 

島田検査官
申し訳ありません。半沢の妻の実家からどこに移動したか、現在徹底的に行方を探しています。

 

黒崎
どこかの貸し金庫を使った形跡は?

 

島田検査官
今の所ありません。

 

黒崎
場所さえ分かれば、何らかの理由をつけて開示請求できるのよ。何が何でも、今日中に見つけなさい!

 

島田検査官
ん~!

 

黒崎
いいわね?

 

東京中央銀行では、金融庁検査に向けて役員会が開かれていました。

岸川取締役
査定先1535件のうち、1490件が正常先と認められました。残り44件も、最終検査日までに微調整し、実破への分類なしとなる見込みです。唯一、伊勢島ホテルを除いては。

 

高木役員
それが一番の問題じゃないか。伊勢島ホテルは何て言ってるんだ?

 

大和田常務
実は先日、羽根専務から、一族経営を脱却して経営方針を一新するという提案がありました。

 

中野渡頭取
現湯浅社長を更迭するという事か?

 

大和田常務
はい。あらかじめ金融庁の黒崎検査官に打診した所、もしそれが実現するなら、伊勢島ホテルの実破への分類を、1年間猶予すると約束していただきました。

 

高木役員
ああ、そうか。なら、その線で話を進めたらどうだ?

 

大和田常務
いや、しかし…。

 

高木役員
何か問題でもあるのか?

 

大和田常務
いえ…。

 

岸川取締役
その案には、担当の半沢次長が反対をしております。

 

大和田常務
岸川君!よしたまえ。

 

岸川取締役
はっ。

 

遠慮はいらん。言いたい事があれば言え。今は、私の顔色をうかがっている場合ではない。

 

岸川取締役
では、お言葉に甘えて申し上げます。

 

大和田常務
岸川君!

 

岸川取締役
頭取。半沢次長を担当から外すご決断を、していただけないでしょうか?はっきり申し上げて、半沢次長では、金融庁検査を乗り切る事はできません。

 

大和田常務
岸川君!もういい!

 

岸川取締役
常務!

 

大和田常務
岸川君!!

 

岸川取締役
半沢次長を指名したのは、頭取ご自身じゃないですか!

 

大和田常務
黙りなさい!そんなことは頭取も十分承知していることだよ!その上で半沢次長を指名したのには、頭取なりの深~~~いお考えがあってのことだ。もちろん…、ダメだった時には、全ての責任を取ると、そういう、お覚悟がおありなんですよね?頭取。

 

中野渡頭取
無論だ。

 

大和田常務
よく、分かりました。

 

半沢は、金融庁の検査官に後をつけられていました。疎開資料の隠し場所を見つけようとしていたのです。

渡真利
黒崎のやつ、お前の個人情報手に入れて、知人や親戚の家まで手当たり次第探ってるぞ。大丈夫なのかよ?

 

半沢
大丈夫だ、あいつらには見つけられない。

 

渡真利
一体、どこに隠したんだよ?

 

半沢
灯台下暗しだ。

 

渡真利
え?

 

坂本
小野寺さん、これ、融資部から回ってきたんですけど。何か伊勢島の、まずい資料らしくて、疎開させてくれって。

 

小野寺
たしかにグレーだな…、分かった。預かる。

 

渡真利
灯台下暗しって、まさか…。

 

半沢
疎開資料は、この銀行にある。

 

渡真利
おいおい…。

 

半沢
これは、うちの総務が金融庁に提出した見取り図だ。この図には、あるはずの部屋がない。

 

渡真利
ん?…ん?分かんない。

 

半沢
地下2階の機械室だ。これには載っていないが、ここには確かにドアがある。総務が、検査に必要のないバックヤードは記載しなかったらしい。

 

渡真利
なるほどね。初めから、あることすら知らない部屋じゃ、黒崎達も調べようがないもんな。

 

半沢
そういうこと。それより、フォスターのほうはどうだ?

 

渡真利
おお、感触は悪くない。湯浅社長の続投にも、理解を示してくれてる。

 

半沢
そうか、となると後は…。

 

渡真利
湯浅社長の決断次第か。

 

野田経理課長
報告書って、そんなものどうするつもりですか?!

 

近藤
決まってるだろ。銀行に提出する。

 

野田経理課長
いい加減にしてくれ!あんたもう、うちの会社出ていく身だろ!これ以上、かき回さないでくれ!

 

近藤
この会社の数字について、経理の君ほど詳しい人間はいないはずだ。なぜ、こんなになるまで田宮社長を止めなかった?野田さん、やり直すなら今だ。

 

野田経理課長
あんたに何が分かる?俺は、柱に打ちつけられた釘だよ。ぶら下がるカレンダーは毎年、新しくなるのに、俺はずっと錆びて捨てられるまで動けないままだ。そういう人生が、あんたに想像できるか?社長にとって、俺はその程度の価値しかないんだよ!会社を良くしようと何か言ったところで、聞き入れられる事なんか一度もなかった。

 

近藤
だから、イエスマンになったのか?たしかに、ノーに比べたらイエスと言う方が何倍も簡単だ。でもな、俺達サラリーマンがイエスとしか言わなくなったら、仕事はただの作業になっちまう。作業だけなら、ロボットでもできる。でも、俺達はロボットになっちゃダメなんだよ。俺は、同期のやつから、そう教えられた。

 

半沢
もしもし。

 

渡真利
どうだ?湯浅社長から連絡はあったか?

 

半沢
いや、まだだ。そっちは?

 

渡真利
実は今、フォスターの極東エリアマネージャーと会って話を詰めてるんだが。この提案の発案者であるお前にも、帰る前に是非会っておきたいとおっしゃってるんだ。

 

半沢
どこに行けばいい?

 

渡真利
本館の正面玄関。

 

半沢
わかった、すぐ行く。本館に行ってくる。

 

小野寺
はい。

 

半沢
お止めください!そのネジは、あなたに拾ってほしくはありません。

 

大和田常務
何故だね?

 

半沢
お分かりになりませんか?そうでしょうね。あなたは、そういうお方です。ですが、いずれ、嫌でも分かっていただくことになる。

 

これね樹脂製のね、ネジですわ。軽いんですわ。これがあったら必ず立ち直れるんですわ!

 

大和田常務
離してください!残念だな。いずれ、という話ができるほど、君との時間は残っていないかもしれないね。

 

半沢
出向ですか?

 

岸川取締役
金融庁検査で結果が出せなければ、そうなって当然だろ。

 

半沢
大和田常務、あなたにとって私は、たかがトカゲの尻尾かもしれません。ですが、切られた尻尾はしばらく暴れ回ります。どんな動きをするか、分かりませんよ。お気をつけください。

 

渡真利
悪かったな、こっちから呼び出しといて。

 

半沢
いや、大和田だろ?

 

渡真利
そのとおり、来るのが見えたんでね。さすがに、フォスターの人間と一緒にいるところを見られるのは、まずいかなと。

 

半沢
どうだった?

 

渡真利
うん、交渉は順調だよ。ただ最終的な合意は、やっぱり肝心の湯浅社長の真意が分からないと決めようがないそうだ。

 

半沢
それはそうだ。

 

渡真利
そりゃそうだよ、どうなんだよ?湯浅社長。お、近藤!

 

近藤
おお!

 

大和田常務
いかがですか?湯浅社長のほうは。

 

羽根専務
お坊ちゃんなりに悩んでるみたいですけど。明日になれば、身を引く決心するでしょう。それしかホテルを救う道ないんですもの。

 

大和田常務
そうですね。

 

羽根専務
まさかと思うけど、あの半沢次長、ホテル再建の切り札を持ってる、なんてことはないでしょうね?

 

大和田常務
あり得ませんよ。

 

羽根専務
本当は、あなた、どこかで恐れてるんじゃないの?彼のこと。

 

大和田常務
…まさか。

 

渡真利
もう時間がないぞ、半沢、大丈夫なのか?

 

半沢
どうかな。

 

渡真利
どうかなって、お前、伊勢島ホテルとうちの命運は、お前にかかってるんだぞ?

 

半沢
いや、それは違うよ、渡真利。会社をどうするか決めるのは銀行じゃない、経営者だ。伊勢島ホテルを救えるとしたら、それはやはり、湯浅社長しかいない。俺達銀行員は、最後は経営者を信じるしかないんだ。

 

近藤
たしかに、そのとおりかもな。俺も明日、田宮社長に証言を求めるつもりだ。

タミヤ電機がまっとうな会社に戻れるかどうか、やっぱり田宮社長にかかってる。

 

渡真利
それだけじゃない、その証言が取れれば、大和田を追い詰めることができる。頼むぞ近藤。

 

近藤
ああ。だから、お前らも金融庁検査、何が何でも乗り切れよ。

 

渡真利
そりゃもちろん、そのつもりですよ。ねぇ、半沢君。

 

半沢
渡真利。

 

渡真利
はい?

 

半沢
近藤。

 

近藤
ん?

 

半沢
たとえどんな結果になっても、俺はお前達と同期でよかった。そう思ってる。

 

渡真利
半沢。もう一回言ってくれる?記念にとっとくから。

 

半沢
俺はまじめに言ってるんだよ。

 

近藤
オーバーだよな?今生の別れじゃあるまいし。はははっ。

 

半沢
言わなきゃよかった。

 

渡真利
今生の別れっていうのもオーバーだよ、時代劇か。

 

近藤
ただいま~。

 

近藤の妻
おかえりなさ~い、ごめんなさいね、散らかしてて。前回は突然で結構バタバタだったから、今回は早めに荷造りしなきゃと思って。

 

近藤
由紀子…。本当にすまない。

 

近藤の妻
いいのよ。ただ、洋弼はちょっとショックだったみたい。せっかくできた友達と、また離れなきゃならないから。心配しないで。あの子もパパのこと大好きなんだもん。きっと分かってくれると思う。

 

あやし~。

 

半沢
何が?

 

さっきから、誰の電話待ってるわけ?

 

半沢
仕事の電話だよ、決まってんだろ。

 

そんなに気になるんだったら、こっちからかけちゃえば?

 

半沢
いや、待つしかないんだ。そんなに簡単に出る答えじゃないから。

 

ふ~ん。

 

半沢
花。

 

ん?

 

半沢
この電話の答え次第では、東京を離れることになるかもしれない。

 

だろうと思った。そんなの分かるよ、直樹見てれば。

 

半沢
すまない。

 

怒らないで聞いてくれる?私、本部から離れたほうが、直樹のためなんじゃないかって、そう思ってたんだ。地方でゆっくりするのもいいんじゃない?銀行だけが世界のすべてじゃないんだから。

 

半沢
ありがとう。でも、もう少しだけ頑張らせてくれ。まだやり残した事があるんだ。

 

無茶だけはしないでね。

 

翌日、

半沢
おはようございます。

 

内藤部長
こういう決断は、時間ギリギリまでできないもんだ。まだ30分ある。必ず、湯浅さんは決断する。

 

半沢
はい。

 

渡真利
半沢、情報が漏れてる。金融庁のやつら、朝から地下2階を完全に封鎖してるぞ。

 

半沢
疎開先がバレた。

 

渡真利
万事休すか。伊勢島ホテル再建のめども立たず、おまけに疎開資料まで持ってかれたら、言い逃れのしようもない。

 

半沢
こうなったら、腹をくくるしかない。

 

渡真利
そうだな。ごめん、俺にはもう、何もしてやれない。

 

内藤部長
半沢。

 

半沢
お迎えだ、切るぞ。

 

渡真利
半沢。グッドラック。

 

島田検査官
ではこれより、伊勢島ホテルへの与信判断に関する最終聞き取り調査を始めます。

 

中野渡頭取
遅れて申し訳ない。

 

黒崎
今日はずいぶんとギャラリーが多いこと。興奮しちゃうわね。始めて。

 

小野寺
それでは、これまでの経緯を含めて、伊勢島ホテルに関する与信について、お話しさせていただきます。

 

田宮社長
何ですか?私に話しというのは?

 

近藤
例のラフィットへの横流しの件です。

 

田宮社長
また、その話か。どうせ、あなたはすぐにいなくなるんです、関係ないでしょう。

 

近藤
うちは横流しした3000万を立て替えて、東京中央に返済してますね。その金、本当にラフィットから返してもらえるんですか?

 

田宮社長
別にすぐに返してほしいとは思っていませんから。

 

近藤
今この経営が苦しい時にこそ、その3000万はうちにとって必要な金じゃないんですか?

 

田宮社長
色々事情があるんだ!返してもらえないものはしょうがないだろう!あなたは、何も分かってないんです。

 

近藤
いいえ、分かってます。

 

田宮社長
何を?

 

近藤
その3000万、大和田常務に言われて貸したものでしょ?

 

小野寺
従いまして、ここ3ヵ月間の空室率の低下が示す今期の業績予想でございますが…。

 

黒崎
もう結構!この前と全然変わってないじゃないの。その場しのぎとしか思えないわよね。率直に言って、こんな再建計画が実現するとは思えないわ。伊勢島が、過去の経営計画をどの程度達成してきたかを見ても、明らかじゃないの?売上、収益、すべてに甘い!

 

半沢
少なくとも、本年度の事業については計画どおり進捗しているはずですが。前回ダメだから今回もダメだというのは、初めから実破に向けた分類ありきの、ねじ曲げた解釈ではないですか?

 

黒崎
ねじ曲げた?

 

半沢
計画に実現性がないというのなら、どこがダメなのか具体的に指摘していただきたい。

 

黒崎
じゃあ言いますけど、そもそも売上の根拠が曖昧…。

 

半沢
根拠は前回示した通りです、業績は順調に回復しております。

 

黒崎
収益目標にした…。

 

半沢
コストの徹底的な見直しで、利益率は格段にアップしています。

 

黒崎
だったらナルセンの件はどうなのよ!最新型の予約システムが使えなくなった今、代替え案も提示されてないじゃないの!大体、そのシステムを作るのに、伊勢島は113億とんで450万もつぎ込んだのよ!その損失は、どうするつもり?

 

半沢
…。

 

黒崎
ふっ…。湯浅社長が身を引いて、経営方針を一新でもしないかぎり、伊勢島ホテルの実破への分類は、至極当然でしょ?反論できるもんなら、してみなさいよ。

 

半沢
いいえ、反論するつもりなどございません。黒崎検査官がおっしゃったとおり、ナルセンの破綻によって生じた問題を解決できないかぎり、実破に分類されても、致し方ないことです。

 

黒崎
そ、そ、そうよね。だったらここは、湯浅社長に辞任していただくのが、御行にとって一番いいんじゃないかしら?まぁ、これは大和田常務からの、ご提案ですけどね。

 

半沢
いいえ、その条件は飲めません。

 

黒崎
えっ?何を言ってんの、あんた!だったらあなた達に、1500億の引当金を積んでもらう事になるけど、それでもいいのかしら?

 

半沢
そのどちらも、了承するわけにはまいりません!

 

黒崎
何、勝手なこと言ってんの?

 

半沢
先ほどご指摘のあった、ナルセンでの問題はすでに解消されております。

 

黒崎
どういうこと?

 

半沢
伊勢島ホテルは、アメリカ最大のホテルチェーン、フォスターの傘下に入ります!今、湯浅社長から快諾の返答をいただきました。これがその、証拠です!

 

黒崎
そんなメールだけで信じられると思う?フォスターは何て言ってるの?フォスターも、合意してのことでしょうね?!

 

渡真利
失礼します。黒崎さん、フォスターのことならどうぞ、ご心配なく。ただいま電話で合意をいただきました。

 

渡真利
半沢、こちらで提示した条件、すべて飲むそうだ。交渉成立!

 

黒崎
あり得ない…、湯浅は同族経営のワンマンじゃない!買収を受け入れるなんて…。

 

半沢
湯浅社長は、ただのワンマンではありませんよ。伊勢島ホテルの将来を見通すことのできる、クレバーな経営者です。今回の条件では、湯浅社長にはそのまま続投していただき、同時に株の運用失敗で損失を出した、羽根専務を更迭いたします。半沢:フォスターの資本受け入れによる初回増資額は200億円。さらに業務提携により、伊勢島ホテルはフォスターの予約システムに相乗りいたします。自前で一から作るよりはるかに信用と集客力の高いシステムを手に入れる事ができる。AAの格付けを持つフォスター資本を背景にできれば、伊勢島ホテルは危ないどころか、飛躍的に今度、業績を伸ばすことでしょう。せっかく色々ご指摘をいただきましたが、もはや、実破に分類されるような問題は一切ございませんので、どうかご安心ください。他に何か、ご質問は?

 

黒崎
じゃあ他に伊勢島ホテルに関して、我々が知らされていない情報はもうないのね?

 

半沢
もちろんです。

 

黒崎
そう。なら少し、お付き合いしてもらおうかしら?地下2階へ。さぁ、行きましょう。皆さんもご一緒に。

 

私も行く。

 

大和田常務
おい、岸川!どういうことだこれ!

 

岸川取締役
私にも分かりません!

 

 

その頃、近藤は田宮社長に経緯を確認していました。

近藤
大和田常務に頼まれ、岸川支店長がそれを実行した、違いますか?

 

岸川取締役
大和田さんに協力しておけば、絶対に損はないですよ、社長。

 

大和田常務
借りた金はすぐにお返ししますが、田宮さんとはこれからも長いお付き合いをできればと思っておりますよ。

 

田宮社長
分かりました。そういう事でしたら是非、お力にならせていただきます。

 

大和田常務
ただし、あくまで、私は関与していないということで。

 

近藤
この事は銀行の知り合いにも話してます。すぐに大問題になりますよ。しかし、大和田はあなたが勝手にやったことだと言って、自分だけは生き残ろうとするでしょうね。

 

田宮社長
そんな…。

 

近藤
結局利用されただけなんですよ、田宮社長。

 

田宮社長
ちょっと待ってくれ。もしもし、田宮ですが。

 

大和田常務
困りますね、田宮社長。こう度々かけてこられては。

 

田宮社長
例の件が、露見しそうだというのは本当ですか?

 

大和田常務
誰がそのようなことを。

 

田宮社長
うちの近藤です。

 

大和田常務
あ、彼はもうすぐいなくなります、問題ありませんよ。

 

田宮社長
本当ですか?すでに銀行の知り合いに話したと言っていますが?大和田さん、金…いつ返してくれるんですか?

 

大和田常務
悪いが今、取込み中でね、その話はまた今晩にでもゆっくりと。

 

田宮社長
あなた、あの時すぐに返すって言いましたよね?!

 

大和田常務
ですが、こうも言ったはずですよね?あくまでも、私は関与していないと。では…。ちっ…。

 

田宮社長
笑いたければ笑え。

 

近藤
あいにく、人のことを笑っていられる状況じゃありません。社長。最後に一つだけ、力を合わせて3000万回収しませんか?

 

田宮社長
…どうやって?

 

近藤
簡単です。今までのことを全部話してくれたら、それでいい。私が報告書にして、あなたに署名捺印をいただき、銀行に提出します。

 

田宮社長
すると、どうなる?

 

近藤
大和田を更迭する切り札になります。そうなれば、事情は明らかになり、3000万は何らかの形で返済されるでしょう。

 

田宮社長
ふっ…そうなれば、君の出向も取り消されるかもしれんな。

 

近藤
正直、それは難しいと思ってます。組織で一度決定した人事を覆すには、相当な力が必要ですから。

 

田宮社長

 

近藤
だったら、君は何のためにこんなことを?決まってるじゃないですか。この会社のためです。

 

 

黒崎
申し訳ないわね。頭取にこんな場所まで、付き合わせて。

 

お気遣いなく。私は頭取として、最後まで見届ける義務がありますので。

 

黒崎
それはそれは、ご立派な心掛けで。

 

黒崎さん。一体ここには何があるんですか?

 

黒崎
何が入っているかは、半沢次長に聞いてみて?ねぇ?さぁ、開けてちょうだい。半沢次長。あなたが何故か鍵を持っているのは分かっているから。

 

半沢
検査官にお見せするようなものは、ここにはございません。

 

黒崎
お黙り。何でもいいから早く開けてちょうだい。ふっ…。あ~ら!こんな所に変な物があるわよ?さぁ、この箱の中身は何かしら?中身は何かって聞いてるのよ。ふっ…答えられないでしょ。なら私が変わりに答えてあげる。この箱の中身は、伊勢島ホテルに関する隠匿資料でしょ?!

 

しかし、黒崎が段ボールを空けるとびっくりします。

黒崎
何っ?!何なのこれ…!ちょっと!

 

島田検査官
はい!

 

黒崎
何なの?!

 

半沢
宴会で使う小道具ですが、それが何か?黒崎さん、あなた何がしたいんですか?検査の邪魔になると思って、ここにしまっておいたのですが、金融庁は宴会道具まで検査対象にするつもりですか?

 

黒崎
隠匿資料があったはずよ。半沢、隠したのね?出してちょうだい!

 

半沢
そんな物はどこにもありはしない。

 

内藤部長
黒崎さん。これが現実ですよ。これでもまだ、ありもしない幻想を言い張るつもりですか?東京中央銀行としては、名誉棄損で金融庁に報告いたしますよ?よろしいですね?!

 

中野渡頭取
どうやら、黒崎検査官には何らかの誤解があったようだ。ま、しかし、そういうことはよくある事だ。今回の事は、なかった事にいたしましょう。それで、よろしいですね?

 

黒崎
お気遣い…感謝します。やってくれたわね…。

 

半沢
何のことでしょう?黒崎検査官、長期にわたる金融庁検査、お疲れ様でした。

 

黒崎
この借りは、死ぬまで忘れないわよ!

 

渡真利
魔法か?ん?魔法か?教えろよ、これ、どんな手を使ってすり替えたんだよ。

 

半沢
すり替えてはいないよ。こんなこともあろうかと、最初から用意しておいたんだ。

 

渡真利
え?俺のことも騙してたの?

 

半沢
騙してたわけじゃない。

 

渡真利
え?おお!

 

半沢
だから言ったろ?灯台下暗し。

 

渡真利
そういうことか!あっち、フェイクなんだ。

 

半沢
内心、いつこっちがばれるんじゃないかって、ヒヤヒヤしてたよ!

 

渡真利
そりゃそうだろ、そりゃそうでしょ!イェイ!アハハ。

 

半沢
近藤からだ。もしもし。

 

近藤
どうだった?金融庁検査は。

 

半沢
何とか乗り切った、そっちはどうだ?

 

近藤
田宮社長が証言してくれた。これから報告書にまとめて持ってくから、夜、会おう。

 

半沢
そうか、よくやった、近藤!

 

渡真利
おーし!大田和常務の携帯電話に留守番電話が入っていました。

 

田宮社長
留守1件です。田宮です。大和田さん。あんたには申し訳ないが、近藤さんに全部話させてもらったよ。まぁ、そういうことで。

 

大和田常務
クソー!!ゥアーー!!

 

羽根専務
フォスターに伊勢島ホテルを売るなんて、私は絶対に認めません!今すぐ撤回してください!

 

湯浅社長
もう決めた事です。たとえフォスターに買収されたとしても、私は社長として、このホテルと従業員と、そしてホテルを愛してくれたお客様を守っていく。あなたとは違うやり方で。

 

羽根専務
やっぱりそっくりね、先代に。そういうワンマンのせいで、ずっと振り回され続けて、このホテルはダメになったんです!あなたには、それが変えられるのかしら?

 

湯浅社長
変えてみせます。

 

岸川取締役
常務、お呼びでしょうか?…常務、これは…。

 

大和田常務
気にしないでくれ、それよりも、少々面倒な事が起きた。

 

近藤
…よし。

 

 

そこに、近藤の携帯電話がなります。東京中央銀行秘書課の隈井から半沢次長の事で2,3確認したいことがあると言われて、待ち合わせ場所に向かいます。

渡真利
では、金融庁検査の成功に!

 

半沢
お前がフォスターを動かしてくれたおかげだ。ありがとう、渡真利。

 

渡真利
でかい貸しだよ?早いとこ上にいってさ、俺と近藤を引き上げてくれよ。

 

半沢
ふっ。

 

渡真利
近藤も、田宮社長の証言取れたし、あとはいよいよ大和田だな。

 

半沢
ああ。

 

渡真利
それにしても近藤のやつ、よくやったよな。やるときはやるね、あいつも。

 

近藤が向かった先にやってきたのは、大和田常務と岸川部長でした。

大和田常務
いや~、近藤君。すまなかったね、突然呼びつけて。

 

近藤
どういうことでしょうか?私は、秘書課の隈井さんという方に呼び出されたはずですが?

 

大和田常務
うん、ぜひ、君と話しがしたいと、私が伝言を頼んだんだよ。

 

近藤
このあと約束がありますので、用件は手短にお願いします。

 

大和田常務
ああ、それは申し訳ない。では、率直に話そう。君の、人事の話だ。君は間もなく出向すると聞いているが。

 

岸川取締役
たしか、根室だったね?

 

近藤
はい。

 

大和田常務
それは随分と遠いねぇ。ご家族も慣れない土地に行くのは大変だろう。

 

近藤
何がおっしゃりたいのでしょうか…。

 

大和田常務
その出向をね、私の力で、なかったことにしてもいい。だがそれにはね、条件がある。

 

近藤
条件とは?

 

大和田常務
今、君が抱えている報告書を表に出さないでほしい。ただ、それだけのことだ、簡単なことだよ。

 

近藤
私が出さなくても、迂回融資の件はすでに、何人かに話してます。

 

大和田常務
そんなものはどうにでもなるよ、田宮社長の証言さえ、なければね。

 

近藤
タミヤ電機に残る条件として、あの報告書を破棄しろと、常務はそうおっしゃりたいんですか?

 

大和田常務
いやいやいやいやいや…、君は何を勘違いしてるんだ。私は、君を、本行に戻すと言っているんだよ?どこがいいかね?本店、支店、融資部、審査部、たしか入行当時の君は、広報部を希望していたんだったね。何なら、その方向で調整してみようじゃないか。

 

近藤
本当に、できるんですか?そんなことが。

 

大和田常務
できる。報告書を渡してくれたらね。

 

岸川取締役
こんな良い話はないじゃないか。きっと、ご家族も喜ばれるに違いない。

 

大和田常務
近藤君?今、ここで、返事が欲しい。もう一度、なってみないかね?銀行員に。

 

近藤は、半沢の言葉や家族の言葉が頭をめぐって結論を出します。

近藤
よろしく…お願いします。

半沢直樹第9話のネタバレ,あらすじはここまで。半沢直樹第10話のネタバレ,あらすじにつづく。

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